「もしもし?」
電話先から小さな沈黙が流れる
「…朔夜(さくや)?」
泣き声を必死で堪えたみたいな声が電話先から聞こえて
俺はただ、返事しないですぐに迎えに行く。

有愛(ありあ)、ほら飲めよ。」
迫るような闇の中で月の光を浴びながら有愛は涙を流す
仕方ないからテーブルの上にできたてのレモンティーを置く
隣に座ると同時に腕を絡めて手を繋いでくる
「どうした。」
出来立てのレモンティーは熱すぎて白い湯気を闇の中に描き出す。
「また、やな夢見たの」
「どんな夢?」
彼女は時々夜に俺の家を1人で訪ねてくる
「言葉が誰とも通じないの。」
いつも不安なんてなさそうな顔してるからか
有愛の涙はすごく綺麗に見えた。
「けど今通じてるじゃん」
「そうだけど。」
絡めてた腕を放して横から有愛は抱き着いてくる
「だって」
「ん?」
「朔夜に“好き”って言っても通じないのって絶望的じゃない」
愛しくて愛しくて笑みが零れる
「好きだ。」
また、一粒涙が零れた

少し時間が経つと有愛は俺の隣でゆっくりと眠りについた。
安心したような、寝顔。
夜の闇の中で月の光を浴びながら
はたから見たらまるで神聖な儀式みたいに
俺は頬に伝わる涙を舐めとってキスをしておでこに口付けをした
「御休み。」

今回は短いめで行ってみました
女子高生が夜中にうろうろするってどうよorz
この2人も大好きです。
隼人と綾乃よりも書きやすい笑
朔はほんと有愛ちゃんが大好きで
有愛も朔のこと大好きで。
でも毎回告りあうって。笑
けどその愛の告白さえ日常的な会話に聞こえるほどラブラブになって欲しいです
朔視線はやっぱ好きじゃないです。
書きにくいよこの人!!
しかもある意味親子に見えるという最悪カップル笑