思
例えこの思いが永遠に届かなくても
今日も僕は君を思う。
「ねぇ満。」
「…何だよ。」
「告白、ジョーダンにしてよかったの?」
満は僕の前で大きな溜息を吐く
「ああ。お前は?」
「うん。よかったよ。
あんな困らせちゃって僕らジェントルマン失格だねっ」
「まぁ、ここは侍の国だし。」
サムライノクニ。
満はこう言ったけど僕にはよくわからない。
だってこんなにかわいい女の子がたくさんいるのに
尽くさせちゃだめだよ。
女の子はお姫様なんだから優しくしなきゃ。
「ねー有愛?」
「え?」
僕は有愛が大好きだよ。
けど困らせたくないからこれは僕だけの秘密。
「今日朔の家いくの?」
「うん。そのつもり。」
「…美姫ちゃんがいるのに?」
有愛は不安そうにちょっと笑って頷いた。
「僕もそっちの方用事あるから一緒に朔の家の前まで行っていーい?」
「理希、一緒に来てくれるの?」
「うんっ」
少しほっとした有愛を見て僕も嬉しくなる。
「…理希?あのねあたし少し不安なんだ。」
何時の間にか僕達は手を握りながら一緒に歩く。
「朔夜のことはすっごい信用してるんだけど
自分の彼氏のことこんな風にいうのなんだけど
すごく素敵な人だしだから惹かれたんだけど
けど少し優しすぎるから。」
有愛は太陽を悲しそうに眺めて溜息を吐く
「それに少し焼き餅妬いちゃう。
どんなに愛がなくてもあたし以上に朔夜の傍にいれるなんてずるい。
…あと、こんなこと言うと理希に呆れられちゃうかもしれないけど
その子の記憶が戻っても居座られちゃったらどうしようって思う
嫌な子だよね。あたしって。だから女の子の友達できないのかも」
強く有愛は僕の手を握る。
「大丈夫だよ。朔は有愛のことが大好きだし
優しいけどちゃーんと嫌な事は言える人だから
居座られちゃうって事はないと思う。
あと、あといきなり彼氏が見知らぬ女の子と同居するって言って
何も反対しないでただ、女の子のことを第一に考えてあげた有愛は
やな子じゃないよ。すっごくすっごくいい子だよ。
焼き餅妬いちゃうってことは朔のことが大好きな証拠だし
焼き餅妬いたら2人で一緒に食べちゃえ!
それにね?朔と有愛が喧嘩しちゃったとしても
僕と満が絶対仲直りさせてあげる。
有愛はもう1人じゃないよ?頼りないかもしれないけど僕らがいるよ?
辛いときには僕が有愛を守ってあげるからいつでも言ってね。」
有愛は少しの間何も言わないでその後僕に向って
綺麗な笑顔を見せてくれた。
「ありがとう理希。」
「ここだよね朔のマンション。」
「うん。」
「恐い?」
「ちょっと。」
不安そうに有愛は僕を見上げる。
「じゃぁ勇気が出るお呪いしたげる。」
ホッぺに軽くキスをする。
「ありがとう。」
照れ笑いを僕に見せながらキュッとハグしてくれる。
「行ってらっしゃい。」
両手を握って元気に言う。
「行ってきます。」
有愛もきゅっと僕の手を握って笑う。
ゆっくりと僕の手を離しながら階段を登る。
少し、体を強張らせながら。
階段の下で僕はずっと有愛を見詰める。
ねぇ有愛。
僕は有愛が好きだよ。
ずっと、ずっと。
君が好きだよ。
この一文字シリーズ(仮名)の中で(他にシリーズ名ないのか
実は管理人的に理希が一番好きだったりします。
多分「絆」で実は有愛と理希が引っ付く予定だったからかも笑
で何故か満と理希のバドルになって
「めんどくさいから朔をヒーローにしよう」
ということで急遽美姫は悪役に、満と理希は片思いに。
一番有愛を思ってるのは理希でよく考える子なんで
すごく、すごく好きです。
他のキャラはどっか自分のために動いてるとこがあるけど
この子はそういう気持ちがなくて
ただ有愛が好きだからかもしれない。
純粋っていうかなんていうか。
あと理希実は朔のマンションの方に用がなくて同じ道を帰るって設定もあったり。
普段書いた後に文字を決めるんだけど
今回は文字を決めた後物語を書き始めました。
っていうかちゃんとかわいい男の子?も書けてほっとしました。